軽快な音楽に合わせて回る木馬たち。遊園地の定番であるメリーゴーランドの研究開発が、中区本牧のスタジオで行われている。
『メリ~ゴーランド研究所』の看板が掲げられたスタジオ・カルーセルは、広告・美術の制作を手がける(有)エトルスコ(本社・中区元町)の第2スタジオとして今年7月にオープンした。スタッフが仕事の合間に制作しているのは、2時間程度で組み立てられる移動式のメリーゴーランドだ。
制作のきっかけは一昨年、代表の寺道健一朗さんを襲った「突然の目眩」。ぐるぐる回る世界を見ているうちにメリーゴーランドが閃いたという。ちょうど夢を与える仕事がしたいと思っていた矢先のことで、本格的に制作がスタートした。
とはいえ、国内にあるメリーゴーランドのほとんどが輸入品のため見本がなく、手探りでの作業となった。専門である造形物(馬)の制作は問題なかったが、機械の構造計算などに苦戦した。当初は動力を足こぎ自転車にする予定だったが、安全性を追求するうちに重量が1・5tにもなり断念。アーティスト仲間の協力を得て、回転架台や稼動時にかけるオリジナル曲もようやく揃い、構想から2年、完成まであと一歩というところまできた。
完成後のメリーゴーランドはイベント用で貸し出すほか、普段はスタジオ内で乗れるようにする予定だという。現在スタジオではアートスクールも行っており、「ただ楽しいというだけの乗り物にはしたくない。メリーゴーランドを通して子どもたちの想像力や感性を育むお手伝いができれば」と寺道さん。詳細はメリ~ゴーランド研究所ホームページ。
タウンニュースより抜粋